15年ほど前に居たアパートでの話です。
そこはアパートといっても、雑貨屋2階の空部屋を貸しているという感じで、2階の奥には、雑貨屋を営む母娘2人が住んでいました。
入居時から、部屋の柱の上部に“おふだ”のようなものが貼ってあるのが気になっていたのですが、そこに越してからというもの、頻繁に金縛りにあうようになりました。
ある夜、いつものように金縛り状態となった時、ふと足のほうを見ると、灰色のスーツを着た、疲れた感じの中年の男性が立っていました。
そしてまた別の夜は、上半身だけ金縛りとなり、横をみると、白シャツに黒い半ズボン姿のぼっちゃん刈りの男の子が、両手で私の体を押さえつけていました。
そんなある日、いつもは締め切ってある母娘の住む奥の部屋の扉が開いていたのです。
何気なしに中をのぞくと、黒い額縁に飾られてある写真が目に入りました。そして、こう思ったのです。
「あの時の男の子だ」
見かけない父親は、足元に立っていた男性だったのでしょうか…。
詳細は怖くて聞く気になれませんでした。
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